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山師さん

私の恩人への彼の考え方が理解できません。
私は高校生の頃両親を事故で亡くしひとりぼっちになってしまいました。
その時アルバイトをしていたコンビニの経営者のご夫婦がとても心配してくれて、
「うちは息子二人が社会人になって家を出ていて部屋が空いている。他人の家で色々と煩わしいと事もあるだろうけど家に来ない？」と
言ってくれて、一人じゃ寂しさに潰されそうだった私は近くに親戚もいなかったのでお言葉に甘えてお世話になる事にしました。
旦那さんは夜に男の私がいると若い子は気を使うからと、毎日コンビニの夜勤に入ってくれて、さらには小さな仏壇まで買ってくれて部屋に両親の写真と位牌を置かせてくれました。
奥さんは落ち込んでいる私を元気付けようと、いつも楽しい話で笑わせてくれて、仕事中も今までと変わりなく接してくれました。
盆と正月に帰ってくる息子さんたちも、妹が出来たみたいだと言ってくれて、やっぱり家に若い女の子がいると家の中が明るくなるねなどと気を使ってくれました。
そんなご家族のサポートがあって無事近くの国立大学に進む事が出来ました。
両親の保険屋や遺産があったので学費の心配はしていませんでしたが、進学と同時にご夫婦の迷惑ななると思ってここで働きながら一人暮らしをすると言うと、旦那さんが、
「両親が残してくれたお金は将来のためにとっておきな。そしてもし嫌じゃなかったらこのまま家に住んでていいよ」と言ってくれました。
私は奥さんと凄く気が合い全然嫌じゃなかったので、旦那さんの言葉が嬉しくて涙ながらに、ありがとうございます。と言いそのままお世話になりました。
コンビニのシフトも時間割を見て配置してくれたり、テスト前は休みにしてくれたりしながらも、ちゃんと学費が賄え自由に使えるお金が十分出来るくらいの勤務時間を考えてくれました。
無知な私が知らなかった両親の法事やお寺の行事なども全部ご夫婦が行ってくれて、そこには家族と同じだからと息子さんたちも来てくれました。
息子さん二人がそれぞれ結婚前にお嫁さんを挨拶に連れて来た時も、妹と紹介してくれたりとても幸せな時間を過ごせました。
そしていつしか私と奥さんは名前で呼び合うようになっていました。
就活の時期になり、私はこのままコンビニで働き恩返しをしようと思っていたのですが、ご夫婦は「せっかく国立大学に入ったのだから、自分のやりたい職業を目指した方が良い。
もしどこにも就職できなかったらうちで働きながら就職活動すれば良いよ」と。優しい言葉に涙が止まりませんでした。
私は小さな頃から学校の先生になりたかったので、大学でも教職過程を取っていました。
なので教育実習や介護実習にも行っていたので、教師の道を選ぶことを伝えると凄く喜んでくれました。

文字数オーバーなのでつづきあります。